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法 華 経

 

鈍根にして小智なる人と 相に著して驕慢なる者とは

この法を信ずること能(あた)はず。


諸の善男子よ、若し衆生ありて、わが所に来至せば、

われは仏眼をもって、その信等の諸根の利鈍を観じて、

度(すく)うべき所に随ひて、処処に自ら名字の不同と年紀の大小とを説き、

亦復現して、当に涅槃に入るべし、と言い、又、種種の方便をもって、

微妙の法を説きて、能く衆生をして歓喜の心を発さしめたり。


諸の善男子よ、如来は諸の衆生の小法を楽える徳薄く垢重き者を見ては、

この人のために、われは少くして出家して阿耨多羅三藐三菩提を得たりと説くなり。

 

 

「われ深く汝等を敬う。敢えて軽め慢どらず。

所以は何ん。汝等は皆菩薩の道を行じて、当に仏と作ることを

得べければなり」 と。 しかも、この比丘は専ら経典を読誦

するにはあらずして、但、礼拝を行ずるのみなり。

 (敢えて:あえて、軽め:かろしめ、慢どらず:あなどらず、所以:ゆえん、

  何ん:いかん、当に:まさに、作る:なる、比丘:びく、専ら:もっぱら、

  読誦:どくじゅ、但:ただ、礼拝:らいはい)

 

                                 

如来は、また、この念を作せり 『若し、われ、但、神力及び智慧の力のみをもって、

方便を捨てて、諸の衆生のために、如来の知見・力・無所畏を讃えば、

衆生はこれをもって、得度すること能わざらん。所以はいかん。

この諸の衆生は、未だ、生・老・病・死・憂・悲・苦・悩を免れずして、

三界の火宅のために焼かるればなり。何に由りてか、能く仏の智慧を解らん。』と。


汝等は楽って、三界の火宅に住することを得ることなかれ。

麁弊の色・声・香・味・触を貪ることなかれ。若し貧著して

愛を生ぜば、則ち焼かるる所とならん。

汝等は、速やかに三界を出でて、三乗たる声聞と辟支仏と仏との乗を得べし。

 (楽って:ねがって、麁弊:そへい、貪る:むさぼる、貧著:とんじゃく、

  出でて:いでて、声聞:しょうもん、辟支仏:びゃくしぶつ)


諸仏は方便力の故に、一仏乗において、分別して三と説きたまふなり。

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断苦の法を求めず 

深く諸の邪見に入りて、苦を以て苦を捨てんと欲す

是衆生の為の故に、而も大悲心を起こせり

(諸の:もろもろの、是:この、而も:しかも)

 



少智は小法を楽ひて、自ら作仏せんことを信ぜず

是故に方便を以て、分別して諸果を説く

(楽ひて:ねがいて、作仏:さぶつ、是故に:このゆえに)



五濁の悪世には、ただ諸欲に楽着するを以て

是の如き等の衆生は、終に仏道を求めず

(楽着:ぎょうぢゃく、是の:かくの)





この輩は、罪の根深重にして、及び増上慢にして、

未だ得ざるを得たりと謂い、未だ証せざるを証せりと謂えり。

かくの如き失あり。ここを以て住せざるなり。

   (輩:ともがら、謂い:おもい・いい?、失:とが、以て:もって)




この法は思量・分別の能く解する所に非ず

   (能く:よく、解する:げする、非ず:あらず)




法は常に無性にして 仏種は縁に従って起こる




無明は行に縁たり。




無明滅すれば、すなわち行滅す。




諸仏は、方便力をもって 分別して三乗を説きたもうも

唯、一仏乗あるのみにして 息処の故に二を説きたもうなり。

  (息処の故に:いこいのために)




諸仏の導師は 息わしめんがために涅槃を説きたもうも

すでにこれ息いおわれりと知らば 仏慧に引き入れたもうなり。

  (息い:いこい、仏慧:ぶって?)




実の滅度には非ず 仏の無上慧を得て 

しかして乃ち、 これ真の滅なり




悪世の中の比丘は 邪智にして心に諂曲あり

未だ得ざるに、これを得たりと謂い 我慢の心、充満せん。

  (諂曲:てんごく・こびへつらい、謂い:おもい・いい)




一切法は、空なり、如実の相なり、顛倒ならず、動ぜず、退せず、転せず、

虚空の如くにして所有の性無く、一切の語言の道断え、生ぜず、出でず、起こらず、

名無く、相無く、実に所有無く、無量・無辺・無礙・無障なりと観ぜよ。ただ、

因縁をもって有るのみ、顛倒より生ずるが故に常・楽と説くなり。




毎に自らこの念を作す 「何をもってか衆生をして 無上道に入り

速やかに仏身を成就することを得せしめん」と。

  (毎に:つねに、作す:なす、速やかに:すみやかに)






                                以上 法華経 より

参考:全文 上(1-9) 中(10-19) 下(20-28)
どうしてもパソコンでは現せない字もあります、お許し下さい。

 

 

 

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