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勝鬘経


此二法は、義は一にして名は異なり  

  


阿羅漢は仏に帰依す、阿羅漢は恐怖すること有り。

何を以っての故に。阿羅漢は、一切に於いて行無く、怖畏の想に住すること、

人の剣を執りて、来たりて己を害せんと欲するが如し。

この故に、阿羅漢には究境の楽無し。

何を以っての故に。世尊は依にして不求依なり、衆生、依無ければ彼彼に恐怖す、

恐怖を以っての故に則ち帰依を求むるが如し。

阿羅漢の如きは怖畏有り、怖畏を以っての故に如来に依る。




唯、如来応正等覚のみ有りて般涅槃を得たまふ、一切の功徳を成就するが故に。




煩悩有り、是れ阿羅漢、辟支仏の断ずる能はざる所なり。




無明住地の力は、有愛と数との四住地に於いて、其の力、最勝なり。

恆沙に等しき数の上の煩悩の依たり、亦四種の煩悩をして久しく住せしむ。

阿羅漢、辟支仏智の断ずる能はざる所にして、唯如来の菩提智のみ

能く断ずる所なり。是の如く世尊、無明住地は最も大力と為す。




無漏尽きざれば自在力を得ず、亦証を作さざれば、無漏尽きざるは、

即ち是れ無明住地なり。




一切の上の煩悩の起こるとは、皆無明住地を因とし、無明住地を縁とす。




有為の相に入る者は是れ無常なり



心の相続に於いて、愚暗にして解せず、

刹那の間の意識の境界を知らずして常見を起こす




聖諦とは甚深の義を説く、微細にして知り難し、思量の境界にあらず、

是れ智者の所知なり、一切世間の信ずる能はざる所なり。

 

能はざる:あたはざる



   ―   ―   ―   ―   ―   ―   ―


法智に隨順すとは、根と意解と境界とを、観察し、施設し、業報を観察し、

阿羅漢の眠を観察し、心自在の楽、禅定の楽を観察し、

阿羅漢と辟支仏と大力の菩薩との聖自在通とを観察するなり。

 

法智:ほっち、 隨順す:すいじゅんす、 意解:いげ、 境界:きょうがい、 

禅定:ぜんじょう、 辟支仏:びゃくしぶつ、 聖自在通:しょうじざいつう





 

 

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