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華 厳 経 2



若し能く
(よく)須臾も如来を念ぜんには、乃至一念の功徳力も

永く衆の悪趣を遠離することを得、智慧の日光は癡の闇を滅せん                 

須臾:短い時間


(まさ)に一切の供を受くるに堪ふべし                                 



心を法界に遊ばしむること虚空の如く、是人は乃ち仏の境界を知る                

是人:このひと  乃ち:すなはち




懈怠の者は、深き方便海を解ること能はず 

懈怠:けたい 解る:さとる 能はず:あたはず                               




世間の諸の放逸は、長く迷うて、五欲に酔い

非実に妄想を興し、永く大苦の障と為る                              

興し:おこし 為る:なる



虚妄も虚妄に非ざるも、若しは実若しは不実なるも

世間も出世間も但仮の言説有るのみ                                

但:ただ


疾病の人を見ば、当に願ふべし衆生

身の空寂を知りて、衆苦を解脱せんと                             

当に:まさに





恐畏を離れて大力を生ず                                     

恐畏:くい




諸法の空なるを見ずして、常に無量の苦を受く




法に於いて所見有れば、彼は則ち所見無し

則ち:すなわち                                            





見者は則ち是れ垢にして、彼は則ち所見無し

諸仏は所見を離る、是故に清浄を見る

世間の語言の法は、虚妄にして真実無し

則ち:すなわち 垢:く 是故:このゆえ 虚妄:こもう




世間と非世間とは、観察するに悉く平等にして

二倶に真実なりと知る、是を真見の者と名づく

悉く:ことごとく 倶:とも




有に非ず亦無に非ず、是を不二の見と名づく                         

亦:また




無尽智の説く所は、説く者に説く所無し                         




見者に所見無ければ、是見は相を壊せず




三世の諸法は平等にして猶し虚空の如く、二相有ること無しと観察し分別す         

猶:なお



悉く衆生を分別して、而も衆生を捨てず

悉く:ことごとく 而も:しかも



無上の業を行じて、果報を求めず                             




善く一切の語を解して、而も言語の想無し




一切種種の相は、皆悉く真実無し                         





衆魔を降伏せん、大慈悲の故に。

降伏:ごうぶく




菩薩は是の如き等の無量の方便を以って、普く衆生の為に、法蔵を開閃して、

而も未だかつて懈怠の心を生ぜず。

普く:あまねく 開閃;かいせん 而も:しかも



大衆の中に於いて而も畏るる所無く、一切世間に能く壊する者無きは、

般若波羅蜜を具足し、増上すればなり。                     




所取も取るべからず、所見も見るべからず

所聞も聞くべからず、所思も思うべからず






如来の声を聞くと雖も、音声は如来に非ず

声を離れて復、如来の等正覚を知らず

是處甚だ深妙なり、若し能く分別して知らば

無上の道を荘厳し、諸の虚妄を遠離せん                    





「 我この苦に因りて、若し恚心を生ぜば、則ち自ら調伏せず、自ら守護せず、

自ら明了ならず、自ら寂静ならず、自ら定を修せず、自ら真実ならず、

自ら其身を愛するなり。何ぞ能く彼をして歓喜の心を生じて、度脱することを

得しむべき 」



若しは苦、若しは楽、皆所有無し。                          




利養を求めず、人の悪を計らず                        




此菩薩は自ら貢高して我戒を持つと言はず。

戒を犯す人を見るも、軽賤し可罵して、それを憂悩せしめず。

但其心を一にして清浄の戒を持つのみ。                     

貢高:こうこう 持つ:たもつ 軽賤:きょうせん 可罵:かめ 憂悩:うのう




無明有るが故に行有り。




何等をか世間の法と為す、謂ゆる、色受想行識なり。             

謂ゆる:いわゆる





「若し法有に非ざれば、捨てざるべからず」                  






例えば浄満月の、普く一切の水に現じ

影像は無量なりと雖も、本の月は未だかつて二ならざるが如し        





一切の童蒙愚癡にして智無く、恩を報ゆることを知らず、

瞋恚貢高にして、破戒生盲なる、是の如き等の類の無量の過悪も、

菩薩の道心を動乱すること能はず。





一切衆生に無量の悪有るも、菩薩摩訶薩は悪衆生の故を以って

嫌恨退没して回向を行ぜざるにあらず。                    

嫌恨退没:けんこんたいもつ





若し愚癡童蒙と事を共にするも、心に憂悩無し。                 





苦の故を以って其心退転し、恐怖し、懈怠して衆生を捨離せざるべし。  





苦行を以って自ら楽を求めず    




菩薩摩訶薩、若し諸方より来る一切の福田は、或は菩薩の名聞を承るが故に来り、

或は菩薩の因縁の與の故に来り、或は菩薩の本願を聞くが故に来り、或は

復菩薩の心願に請ぜられて来る。菩薩は彼に於いて悉く恵施せんことを楽ひて肆

厭倦無し。爾時、菩薩、来たり求むる者に於いて、悔過の心を発し、

是の如きの言を作さく、「諸人、当に知るべし、我慶に彼に詣りて礼拝し供養して

種種に恵施すべし、而も今我為の故に遠くより来る」と。

菩薩は即時に敬礼して過ちを悔い、愛言もて慰喩し、遠来を屈辱して

疲倦無きを得、處を安穏ならしめ、須むる所を供給す。           

或は:あるいは 名聞:みょうもん 承る:うけたまわる 與の:ため 請ぜられ:しょうぜられ

悉く:ことごとく 恵施:えせ 楽ひて:ねがひて 肆:ほしいままにし 厭倦:えんけん 爾時:そのとき 悔過:けか

発し:おこし 作さく:なさく 当に:まさに 慶に:まさに 詣りて:いたりて 而も:しかも

敬礼:きょうらい 過ち:あやまち 愛言:あいごん 慰喩:いゆ 屈辱:くつにく 疲倦:ひけん

處:ところ 安穏:あんのん 須むる:もとむる 供給:くきゅう 





一切の衆生をして障礙瞋恚の心を遠離し、究境じて一切種智を成就せしめん 

障礙瞋恚:しょうげしんい 究境:くきょう






識に随ひて智に随はざれば、聞き已りて疑悔を生じ

彼将に悪趣に堕ちんとす、愍念するが故に説かず            

随ひて:したがひて 已りて:おはりて 疑悔:ぎけ 愍念:みんねん




若し人聞くに堪任せば、大海

及び劫尽火の中に在りと雖も、必ず此経を聞くことを得ん          

堪任:かんにん 劫尽:こうじん 雖も:いえども





思量の得る所に非ず、唯知者のみの行處なり                        
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但智を以てのみ知るべく、識の及ぶ所に非ず             




我見を遠離して我相無きが故に、死の畏れ有ること無し。 




凡夫は愍むべし、知らず覚らずして苦悩を受く。                

凡夫:ぼんふ 愍む:あわれむ




無明滅するが故に則ち諸行も滅す。 



無明滅するが故に、諸行も滅するを、名づけて三世の相続を断ずる説と為す。




一切法の性と、一切法の相とは、仏有すも仏無さざるも、常住にして不異なり。 





虚空に種種無し、智力も亦是の如し                   




此娑婆世界の、釈迦牟尼仏の刹の一劫の如きは、

安楽世界の阿弥陀仏の刹に於いては、一日一夜と為す。         

娑婆:しゃば 刹:せつ 一劫:いっこう 為す:なす




一切の諸法は悉く相有ること無くして、而も能く種種相の智を出生す。     

悉く:ことごとく 而も:しかも 能く:よく




般若波羅蜜力の故に是の如きの自在神力を示現す。          




此業等は顛倒に因りて起こりしことを知りて疑惑を生ぜず。      




不二の法に着せず、一二無きことを知るが故なり         




生盲の衆生は日を見ずと雖も、亦日光の饒益する所と為る。      




声聞乗を学ぶ者は、これ小智を学び、他に因りて覚悟するなり       




顛倒を遠離すれば、一切智、無師智、無碍智を起こさん。      

顛倒:てんどう




如来の智慧、無相の智慧、無碍の智慧は、具足して衆生の身中に在るも、

但愚癡の衆生は顛倒の想に覆われて、知らず、見ず、信心を生ぜざるのみ。



「奇なる哉奇なる哉、云何が如来の具足せる智慧は身中に在りて而も知見せざる、

我当に彼衆生を教えて聖道を覚悟せしめ、悉く永く妄想顛倒の垢縛を離れしめ、

具に如来の智慧其身内に在りて、仏と異なること無きを見らしめん」     

哉:かな 云何:いかん 而も:しかも 当に:まさに 悉く:ことごとく 垢縛:くばく 具に:つぶさに





彼諸の智慧は悉く来處無し。                       



悪心もて布施し、瞋心もて戒を持ち、悪性懈怠の衆生を棄捨し、

乱心無智の衆生を軽慢し厭悪する、是を魔業と為す。


正法を慳惜して法器の衆生を呵責し、利養を貪り求めて人の為に法を説き、

非器の人の為に深妙の法を説く、是を魔業と為す。 

         

厭悪:えんお 慳惜:けんじゃく 呵責:かしゃく





大願を発さざれば魔に撮持せらる。             

発さざれば:おこさざれば 撮持:しょうじ


若し思議する者有らば、迷乱して心発狂せん         





衆生の想を起こさず、衆生の相を取らず             



未だ五陰を楽しむことを離れずして、非楽に楽の想を生ぜり      





諸の衆生を観察するに、常楽我浄倒にして

愚癡の闇に覆はれ、煩悩は虚妄を起こし

邪見貪欲等、無量の諸の悪業あり

一切諸趣の中に、具に不善の報を受け

一切諸趣の中に、種種の業身を受け

生老病死の患ひ、無量の苦に逼迫せられたり     

諸の:もろもろの 倒にして:とうにして(意:さかさま) 患ひ:うれひ 逼迫:ひっぱく






時に彼太子、大悲深至にして彼を救護せんが故に、是の如きの言を作さく、

「我代はりて獄に囚はれ、諸の楚毒を受けん、願はくば我を苦冶せよ、我彼を

救はんが為には身命をも惜しまず、罪囚をして悉く解脱を得しめんと欲す。

所以は何ん。若し我此衆生を救はざれば、云何が能く三界の牢獄を済はん。  

深至:じんし 作さく:なさく 囚はれ:とらはれ 楚毒:そどく 

罪囚:ざいしゅう 所以は何ん:ゆえんはいかん 云何:いかん 済はん:すくはん




諸の三悪道に在るものには、應に大悲の念を発すべし

應に:まさに




諸の世間は皆幻住なり、因縁より生ずるが故に。

一切衆生は皆幻住なり、業煩悩の起こす所なるが故に。            




無量の衆生の罪咎を譏らず                        

罪咎:ざいく 譏らず:そしらず





無相三昧に住するも衆生を化せんが為に相を捨てざる        





諸の世間を超出して、有に非ず亦無に非ず

非ず:あらず 亦:また




大仙の現じたまふは虚空のごとく、如、自性、実際、涅槃、離欲、滅、

皆悉く是れ一性なり   

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